サウナ、まもなく銭湯の数を逆転へ 厚労省統計28年分をSaunaNewsが分析

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営業許可を受けたサウナ風呂は4年で49%増え、2,031施設になった。銭湯は2,730施設まで減少。このペースが続けば、2027年3月までにサウナ風呂の数が銭湯を上回る。

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営業許可を受けたサウナ風呂は2025年3月末時点で全国に2,031施設あり、4年前の1,365施設から49%増えた。米国のサウナ業界メディアSaunaNewsが、厚生労働省「衛生行政報告例」の28年分のデータを分析した。同じ4年間で、街の銭湯(一般公衆浴場)は3,231施設から2,730施設に減った。
両者の差は699施設まで縮まった。2024年度だけでサウナ風呂は238施設増え、銭湯は117施設減った。このペースが続けば、2026年度末の2027年3月までにサウナ風呂の数が銭湯を上回る。これはSaunaNewsによる試算で、厚生労働省の予測ではない。数値はいずれも各年度末(3月31日時点)の施設数だ。
この反転はごく最近のことだ。サウナ風呂は1997年度の2,742施設から多くの年で減り続け、2020年度に底を打った。厚生労働省が2019年12月に厚生科学審議会生活衛生適正化分科会へ提出した参考資料「浴場業の実態と経営改善の方策(抄)」は、一般公衆浴場とサウナ風呂がともに10年間で約35%減ったとして、「減少傾向には歯止めがかかっていない」と記していた。それから5年、サウナ風呂の数は2009年度以来の水準に戻った。
東京都は4年で107施設増
2020〜2024年度に、サウナ風呂は47都道府県のうち45で増えた。三重県と奈良県は横ばいで、減った都道府県はない。最も増えたのは東京都で、211施設から318施設になった。長野県、青森県、愛知県、静岡県はいずれもほぼ倍増した。

本州最北端の青森県は、銭湯とサウナ風呂のどちらも人口当たりの数が多い。人口10万人当たりの銭湯は22.4施設と全国平均(2.2施設)の10倍、サウナ風呂は7.1施設で全国平均の1.6施設を大きく上回る。青森県の銭湯は1998年度から29%減ったが、同じ期間の全国の減少率69%よりはるかに小さい。
銭湯は1997年度から7割減
1997年度に9,020施設あった銭湯は、2024年度には2,730施設になった。厚生労働省の長期統計表で銭湯が区分されている最初の年である1977年には、16,866施設あった。東京都の銭湯は2020年度の500施設から、2024年度末には429施設に減った。
営業を続ける銭湯は、売上は伸びても利益が残りにくい。銭湯の運営会社を調査する帝国データバンクは4月、銭湯業界の2025年度の売上高が1,200億円前後とコロナ禍以降で最高水準になり、2020年度(883億円)から3割超増える見通しだと発表した。入浴料金の引き上げに加え、サウナを目当てに若年層やファミリーが訪れるようになったことが寄与した。オートロウリュやバレルサウナに投資した銭湯は、遠方からの客も呼び込んだという。一方、2025年度の利益合計は27億円前後と前年度(49億円)から半減する見通しで、2024年度は4社に1社が赤字だった。原油価格や人件費の高騰が響いており、一般公衆浴場の入浴料金には都道府県ごとに上限があるため、コスト増を価格に転嫁しにくい。SaunaNewsは今春の原油高が銭湯に与えた影響(英語)も報じている。
自治体も浴場経営から手を引きつつある。公営の浴場は4年間で460施設減り、2024年度末には3,361施設となった。
小規模サウナの許可基準が緩和
サウナの営業は公衆浴場法に基づく許可制で、基準は都道府県、保健所設置市、特別区がそれぞれ定めている。全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会(全浴連)が厚生労働省の補助を受けて設けた検討会は2023年10月、許可権限を持つ157の自治体すべてを調査し、全自治体から回答を得た。157自治体すべてがサウナの基準を定め、うち118自治体(75%)が特例的な取扱いを認めていた。小規模な個室サウナの脱衣室や洗い場の基準の緩和、水着着用時の屋外浴槽の男女共用などだ。検討会の2024年3月の報告書によるもので、検討会には日本サウナ・スパ協会と日本サウナ学会も参加した。
厚生労働省は2024年4月5日、こうした事例を各自治体が活用できるよう通知で周知した。ただし同省の統計は、新たな許可がどの種類のサウナかを区別していない。増加分のうち個室サウナや、銭湯がサウナ室を設けたものがどれだけを占めるかは分からない。東京では、テーマのある空間で2時間の個室セッションを提供する施設(英語)も登場している。
家庭やホテルの客室にも小型サウナ
個人宅やホテルの客室のサウナは公衆浴場ではないため、厚生労働省の統計には含まれない。だが販売各社によれば、どちらも増えている。北欧製サウナを輸入販売するtotonoü(トトノウ)は2024年8月、2021年の販売開始以来、バレルサウナとキャビンサウナの累計販売台数が500台を突破し、全国47都道府県に導入されたと発表した。同社は発表資料で、「新築やリノベーションのタイミングでご自宅にキャビンサウナを導入する事例が増え」、「『サウナ付き客室』の事例も増加傾向」にあるとしている。
サイズを決めるのは空間だ。エストニアのサウナメーカーAuroom(オールーム)は、日本ではtotonoüを独占販売代理店としており、totonoüは1人用キャビンサウナ「Cala Mini(カラ ミニ)」の開発にも関わった。totonoüは2022年9月、Cala Miniを「日本のマンションに合わせた」95cm×95cm×高さ205cmのモデルとして発売した。室温は最高110℃まで上がり、ロウリュもできる。totonoüの2025年1月の発表によると、神戸ポートピアホテルやNOT A HOTEL KITAKARUIZAWA BASEが導入しており、最新のCala Glassは両社が共同開発した。米国では「Cala Glass Mini」の名で販売され、米国の購入者にも好評で、SaunaNewsの姉妹ストアでもAuroomのCalaシリーズを扱っている。
ホテルはその分の料金を取っている。メトロエンジンリサーチがホテル業界メディア「ホテルバンク」向けに行ったオンライン販売価格の分析によると、サウナ付き客室とサウナなしの客室の両方を販売する356のホテルでは、2026年5月中旬の宿泊について、サウナ付き客室の価格が中央値で32%高かった。
ハルビアは「日本でナンバーワン」を目標に
フィンランドのサウナヒーターメーカー、ハルビア(Harvia)は2021年10月、東京のBergman社と日本での独占販売契約を結び、3年以内に「Harvia Sauna & Spa」のショールームを50カ所開く計画を示した。当時のタピオ・パユハルユCEOは契約の発表で、日本には「成熟したスパ文化」と「発展途上のサウナ市場」があるとし、「Bergmanとともに市場のリーダーに挑むことができる」と述べた。
Bergmanは最初の1年でショールームを15カ所開設した。両社は2023年3月に合弁会社の設立で合意し(出資比率はハルビア51%)、パユハルユ氏は「長期的には日本でナンバーワンのサウナブランドになることを目指す」と語った。合弁設立の発表によると、BergmanのSeiji Kasama CEOは「日本のサウナ文化はブームを迎えている」と述べ、ハルビアはすでに東京、大阪、名古屋、札幌に拠点を持っていた。
現在のマティアス・ヤルネフェルトCEOは8月の上半期決算で、「日本、中国、オーストラリアなどの主要市場は持続的な好調を示した」と述べた。一方、ハルビアのアジア太平洋・中東・アフリカ地域の売上高は4.9%減少した。Bergmanはサーモリー(Thermory)の日本のパートナーでもあり、熱処理木材を使ったサウナ材の独占契約(英語)を結んでいる。
サウナは増えたが、利用者は2019年より少ない
施設の増加は、利用者の増加に支えられているわけではない。日本サウナ総研の「日本のサウナ実態調査2026」(日本サウナ総研調べ)によると、2025年度に1回以上サウナを利用した18〜69歳は約1,669万人で、2019年度の2,824万人を大きく下回った。全国1万人を対象としたインターネット調査で、人口構成に合わせて補正している。利用者は2021年度に急減し、その後は毎年1,574万〜1,779万人で推移している。
戻ってきたのは常連客だ。月4回以上利用するヘビーユーザーは2025年度に254万人と前年度から35%増えたが、2019年度と比べると24%少ない。この調査は業界の調査機関による推計で、政府統計ではない。また、利用回数ではなく人数を数えている。
米国の事業者が日本の数字から学べること
- 常連客を軸に事業を組み立てる。日本ではサウナ風呂が600施設以上増える一方で、たまに利用する層は離れた。昨年増えたのは月4回以上通う層だ。単発の需要よりも、会員制や回数券、1回当たりの料金設定が重要になる。
- まず許可の区分を確認する。日本では許可権限を持つ自治体の4分の3が、すでに小規模サウナに特例を設けている。米国では賃貸契約を結ぶ前に、サウナ専用施設、個室サウナ、プールや浴場内のサウナをそれぞれどう区分するか、地元の保健当局に書面で確認すべきだ。そのほかの確認事項は、SaunaNewsの浴場開発に必要なことをまとめたガイド(英語)にある。
- 客室サウナはアップグレードとして価格を設定する。サウナ付き客室とサウナなしの客室の両方を販売する日本のホテルは、サウナ付き客室に中央値で32%高い料金を設定している。米国のホテルにとっても、導入前に検証できる目安になる。
- 建設前に燃料費を見積もる。日本の銭湯はサウナを導入しても、燃料費で赤字に陥っている。ヒーター本体だけでなく、燃料費とその価格変動リスクを運営計画に組み込むべきだ。
英語の発言の日本語訳はSaunaNewsによる。英語版の記事:Saunas Are About to Outnumber Sento in Japan, a SaunaNews Analysis of Government Records Finds

